風車の丘の思い出
むかーしのライブ時代。
ウォーリアの転クエのとか、普通にLv上げ用途でも、しょっちゅう、この風車の丘で狩りをしていた時期がありました。
ここでワタシはリネ2人生初の、PKに遭遇したのです。
もうなにが起こったのか、まったく分からず
ただ、「最寄りの村へ」というボタンの文字だけが霞んで見え
怒りもなにもなく、恐怖だったかも定かでなく
ただ、ひたすら、手が震え続けていた
そんなふうに記憶しています。
ああ、ワタシはPKに殺されてしまったんだ、これがPKなんだ。
全てを悟るのに何分か、かかったように思います。
村に戻って、しばらくして。
また風車の丘に戻りました。
そこには、
真っ赤の名前の人が
また現れました。
今度こそは恐怖を感じました。
ただ、どうすることもできず、
蛇に睨まれたカエル。
微塵も動けませんでした。
赤い名前の人が言ったのです。
「なにもわかってないようだな。何が知りたい? つきあうよ」
そう言われても、ワタシはまだ何も分かっておらず。
震える手で「え?」とだけ打ち込むのが、精いっぱいでした。
全身に汗が吹き出ているのにはじめて気づきました。
まぁ座れ、と赤い名前の人は言いました。
それから会話が始まったのです。
今にして思えば、奇妙な光景です。
ウッドンセットに身を包んだ駆け出しと、何やら光を放つ弓を握った赤い名前の人が、他に誰もない風車の丘で、ちんまりと白チャで会話しているのですから。
Mobが強くてすぐお座りせざるを得ないこと。
一生懸命狩ってるし、クエストもやってるのに全然アデナが貯まらないこと。
グルーディンに出てくるまでだって決死の冒険であったこと。
自分がここまでにやってきたことをゆっくりと話し続けました。
知識もなく尋ねられる人もおらず、ぎこちなくぎこちなく過ごしてきた日々のことを。
赤い名前の人は何故かその話を聞き続けてくれたのです。
そして、ああしてみたら、こうしてみたら、ああそれはしょうがない、と逐一、答えてくれました。
しばらくして、赤い名前の人は駈け去っていきました。
まだ教わりたいことは山ほどあったけども。
!ありがとう
はじめてシャウトを使ったのもこのときでした。
返事はもちろんありませんでしたが。
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